今回は島流し(流罪・流刑)とはなんぞや・・?ということで分かり易く解説していきたいと思います。
- そもそも島流しの言葉の意味が分からない
- 島流しってどういう刑なの?
- 島流しと流罪・流刑の違いは?
- 現在ない刑罰なので気になる
結論からいいますと島流しは、辺境や離島に送る追放刑になります。罪としては死刑に次ぐ重罪。
この記事を読めば、島流しについてバッチリ理解が深まりますよ♪
それでは本文に行ってみましょう。
島流しとは?意味が知りたい
島流しの読み方は『しまながし』で、英語は『exile to an island』と表記されます。
罪人を辺境や離島に送る追放刑になります。必ずしも離島に流すことを意味するものではないです。
刑の中身は死刑に次ぐ重罪で、遠く離れた島で1人生きていかなくてはならないのがまさに生き地獄。
島流しは一種の終身刑で特別な恩赦がないかぎり、その流された場所で生涯を終えることになります。めちゃ切ない・・
現在では島流し=左遷という感じで使われてますが、昔と今では言葉の重みが全然違いますね。昔は命がかかってます!
島送りの他にも、流罪・流刑・遠島・島送りという言い方をしますが、罪人を遠くに送る追放刑としては基本同じ意味になります。若干ニュアンスが異なるとこもありますが・・
流罪とは? 意味と読み方について
流罪の読み方は『るざい』で、英語ではexileまたはbanishmenと表記されます。
意味としては島流しと同じ追放刑ですが、一般的に島に送る場合は『島流し』、辺境の地や島に送る包括的な言い方として『流罪』が使われている感じです。
流刑とは? 意味と読み方について
流刑の読み方は『るけい』『りゅうけい』で、英語ではexileまたはbanishmenと表記されます。ついでに流刑地は英語でplace of exileまたはplace of banishment。
他にも配流(はいる)と呼ばれ、流罪と全く同じ意味になります。
遠島とは? 意味と読み方について
遠島の読み方は『えんとう』『おんとう』で、英語表記はdistant exileまたはremote banishmentになります。
遠島は島流しと同じで、罪人を遠くの島に送る追放刑の意味合いになります。
ただ遠島とは、江戸時代に死刑に次ぐ重罪とされた罪人を島に送る追放刑の一種とされています。
罪人に対して遠島という刑罰を命じる時は「遠島申し付ける」と言われたりします。
島送りとは? 島流しとの違いについて
島送りは島流しと全く同じ意味合いになります。どちらも罪人を島に送る追放刑の一種。
ただ島送りは一般的な用語としてはあまり使われていないです。
律令制により定められた流刑
流刑は律令制度(日本では大宝律令・養老律令と呼ばれた)の刑罰において定められた、5刑の1つになります。流刑は死刑の次にくる厳しい刑罰となってますね。
ちなみに律令制度は中国の唐から、日本は飛鳥時代の後期に伝わった制度です。縄文時代➔弥生時代➔古墳時代➔飛鳥時代になりますので、かなり昔から刑罰自体はしっかり決められていました。
肝心の律令制度で決められた流刑の中身ですが、京都市内からの距離によって「近流(こんる)」、「中流(ちゅうる)」、「遠流(おんる)」の3段階に分かれてました。
967年に施行された延喜式によれば下記が流刑先の目安となるみたいです。
近流 | 越前国(福井~石川)、安芸国(広島) 等 |
---|---|
中流 | 信濃国(長野~岐阜)、伊予国(愛媛) 等 |
遠流 | 伊豆国(静岡~東京)、安房国(千葉)、常陸国(茨木)、佐渡国(新潟)、隠岐国(島根)、土佐国(高知) 等 |
他にも表には記載してませんが阿波国、下野国、淡路国など色々あります。
罪状や身分、流刑地の状況などにより距離と配流先は細かく決められてました。
延喜式(えんぎしき)は、平安時代中期に編集された律令の施行細則をまとめた法典。※細目まで規定されているため、古代史の研究のうえで重視されている
まとめ:島流しは死刑の次に重たい刑
それでは本文をまとめますと
島流しは辺境や離島に送る追放刑で、罪としては死刑に次ぐ過酷な刑となってます。
刑が一旦施行されると特別な許しがない限り、一生涯住み慣れない辺境の地や島に身を置くことになりますので・・ある意味死刑より辛いかもしれません。
あと罪の重さによって近流、中流、遠流と3段階に分かれてました。これは日本の律令制度によって厳格決められてました。
都がある京都からの距離が基準となってまして、基本的に罪が軽ければ近くの地で、重ければ遠く離れた辺境の地や島に送られるワケです。
例えば反乱の首謀者なら遠流で遠くに送られることで、メンタルをやられてしまい2度と野望を抱くことはなくなります。まさにそれが狙い!
以上、最後までお読み下さりありがとうございました